ビームライン

実験装置

回折・散乱

表面X線回折計:QST

設置場所:BL11XU実験ハッチ3

分子線エピタキシー(MBE)チェンバーを搭載した表面構造解析用X線回折計です。半導体量子ドットや半導体多層膜などの成長過程をX線回折によりその場観察・リアルタイム観察することが可能です。2台のMBEを交換し、GaAs, InAsなどのヒ素化合物成長とRF-MBEによるGaN、InNなどの窒化物半導体成長を行うことができます。

利用例:半導体量子ドット、半導体多層膜の成長過程のリアルタイム解析

κ型X線回折計:JAEA

設置場所:BL14B1実験ハッチ2

通常の6軸の他、全系の水平面内回転軸を有し、表面構造解析にも適するκ型回折計です。ポテンショスタット等を用いた電気化学特性の同時測定可能です。

利用例:充放電中二次電池電極表面構造のその場観察

大型X線回折計:QST

設置場所:BL22XU実験ハッチ3

汎用の四軸回折計。共鳴X線散乱による電子軌道状態の観測、スペックル回折によるドメイン構造の研究、応力・歪み分布測定などの回折マッピングに用いています。大型試料チェンバーが取り付け可能です。

利用例:コヒーレントX線を利用したスペックル散乱によるナノドメイン観察。応力・歪の3次元分布測定。共鳴X線回折による軌道秩序の解明。

応力-イメージング測定装置:JAEA

設置場所:BL22XU実験ハッチ3

金属材料を中心とした内部ひずみ・応力分布、イメージング測定が可能。高温(最大900℃)負荷(最大5kN)装置により実環境その場測定が可能。複数の2次元検出器を同時に利用することで、ひずみ・応力は最速200Hz、イメージングは2000Hzで時分割測定が可能。

利用例:金属材料変形中応力・ひずみ・転位密度評価、レーザー加工中溶融凝固現象観察など。

共鳴非弾性X線散乱装置:QST

設置場所:BL11XU実験ハッチ2

2m長アームに搭載した球面湾曲型集光式アナライザーによる背面反射で、高エネルギー分解能を実現。運動量移行を伴う固体内素励起も観察可能です。

利用例:白金系燃料電池触媒の電子状態解析

高温高圧プレス装置:QST

設置場所:BL14B1実験ハッチ1

13GPa(13万気圧)、2500K程度までの圧力温度発生が可能です。この状態におかれた試料を、白色X線を用いたエネルギー分散型X線回折法やラジオグラフィー法、単色X線を用いたXAFS(X線吸収微細構造)法や角度分散型X線回折法によって調べることができます。

利用例:高圧下での金属水素化物形成過程のその場観察

単色X線実験用高温高圧プレス装置:QST

設置場所:BL22XU実験ハッチ1

10GPa(10万気圧)、2000K程度までの圧力温度発生が可能です。この状態におかれた試料のX線回折測定やX線吸収法を用いた密度測定が実施可能です。また専用のアタッチメントを用いることで、室温、1MPa未満の水素ガスを印加した際のX線回折その場観察、時分割X線回折測定が実施可能です。

利用例:高温高圧下での金属融体の密度測定。水素貯蔵合金の水素吸蔵過程の時分割その場X線回折測定

ダイヤモンドアンビルセル回折計:QST

設置場所:BL22XU実験ハッチ1

1) 高圧下での単結晶X線回折および粉末X線回折
2) 水素雰囲気下および常圧下での原子二体分布関数(PDF)測定

1)では、He循環型冷凍機利用により低温高圧測定も可能(>5 K)。室温および冷凍機中試料の圧力は、回折計備付の顕微鏡を用いてルビー蛍光法により測定可能です。検出器は、大型イメージングプレート(400 × 400 mm2)であり、試料-検出器間距離が250 ~730 mmで可変のため、高角データから高分解能データまで取得が可能です。

利用例:金属水素化物、負の熱膨張材料、超伝導体、f電子系化合物、準結晶などの金属間化合物など

2)では、70keVの高エネルギー光利用により最大Q=27Å-1までのX線全散乱測定が可能であり、約100Åまでの距離相関の原子二体分布関数(PDF)解析が可能。検出器は大型イメージングプレート。専用のアタッチメントを用いることで、室温、1MPa未満の水素ガス雰囲気でのその場観察が実施可能。

利用例:水素貯蔵合金、負の熱膨張材料など。

分光

軟X線光電子分光装置:JAEA

設置場所:BL23SU RI棟実験ホール

角度分解光電子分光(ARPES)測定も可能な光電子分光装置です。フェルミ面の詳細を調べることができます。

利用例:高効率熱電変換材料の電子構造の解明

軟X線磁気円二色性測定装置:JAEA

設置場所:BL23SU RI棟実験ホール

軟X線領域のXMCDから、元素選択的に磁気モーメントに関する情報を得ることができます。挿入光源の左右円偏光連続高速反転(1Hz)による変調法によりS/N比の高いデータを得ることができます。

利用例:高スピン偏極材料のスピン・軌道磁気モーメントの定量評価

表面化学実験装置:JAEA

設置場所:BL23SU蓄積リング棟実験ホール

金属および半導体表面での吸着・脱離、酸化・還元等の化学反応のダイナミクスをその場観察、リアルタイム測定可能です。表面準備室内ではArイオンスパッタリングと1450Kまでの加熱で表面清浄化可能です。再構成表面・化学組成観察用にLEED、AES装置付属。ガスドーザや超音速分子線装置により、異なる運動エネルギーを持つガス分子を試料表面に供給することができます。放射光光電子分光の他、昇温脱離分析、STM/AFM、LEED/AESを利用した反応ダイナミクスの観察ができます。

利用例:グラフェン形成過程の解明、SiC表面上絶縁膜形成過程の研究

放射光メスバウアー分光装置:QST

設置場所:BL11XU実験ハッチ1

57Fe, 61Ni等のメスバウアー核種を対象とした放射光メスバウアー分光が可能で、物質の電子、磁気状態から格子振動状態に関する情報を得る事ができます。更に、斜入射法や同位体置換試料を利用する事で、金属薄膜の表面部を原子層単位で測定する事も可能です。

利用例:金属薄膜の原子層単位での磁性探査

XAFS測定装置:JAEA

設置場所:BL11XU実験ハッチ1

アンジュレータからの高輝度・高エネルギーX線を利用したXAFS測定が可能です。時分割実験のための高速計測(Quick XAFS)にも対応しています。検出器はイオンチェンバー、NaIシンチレーション、Ge半導体など各種用意。低温測定のためのクライオスタットも整備しています。

利用例:機能性分子設計のための構造解析・電子状態解析

エネルギー分散型XAFS装置:JAEA

設置場所:BL14B1実験ハッチ1

二結晶分光器を用いた通常型X線吸収分光(XAFS)測定に加え、湾曲分光結晶を用いた分散型XAFS測定を行うことができます。通常型XAFS測定では、蛍光法において36素子半導体検出器を使用します。試料温度は20-1073 K。ガス制御システムによる一酸化炭素・一酸化窒素を含んだ雰囲気制御や、四重極質量分析器によるガス成分分析も実施可能です。

利用例:触媒反応機構のその場実時間観察